【万年筆】外国人「万年筆のニブの製造過程を1枚のスチール板で表すとこうなるらしい」（海外の反応）

６：海外の万年筆ユーザーさん

バタフライニブ（butterfly nib）とは。
主に20世紀前半に使われていた、三流万年筆向けの低価格ニブのこと。
バタフライニブはスチール製で、ペンポイント（ニブの先端）には筆記時の摩耗を防ぐためのイリジウム加工が施されていない。
丸いぺろぺろキャンディーを真っ二つに割ったような形状を作ってから、それを折り曲げることで、丸みを帯びたペンポイントを作り上げている。

確かに素晴らしいね。でも、俺たちが探し求めているような書き味、書き心地は得られないんじゃないかなあ。

７：海外の万年筆ユーザーさん

バタフライニブは実際そんな悪くないよ。とても滑らかなニブも探せばあるからね。

８：海外の万年筆ユーザーさん

自分はヴィンテージと思われる、バタフライニブっぽいのがついたwing sung 590を所有しているんだ。お酢、漂白剤、石鹸を使っても消えないレベルの悪臭が染みついているから、たぶんすごく古い万年筆だと思う。
こんな万年筆だけど、ニブはすごくいいんだよ。ずば抜けているとまではいかなくても、全体的に安定した滑らかさを持ってるよ。とてもウェットだし、軽いタッチで字が書けるんだ。
残念なのは臭いが酷いというところだね。たぶん軸の中にあるインクサックが腐ってるせいだよ。まず間違いない。できれば定期的に使いたいなって思っているんだけど、これを自分で修理するには知識が足りてないんだよね。

※ウェットペンはインクフローが多い万年筆のことです。インクがたくさん出やすいので筆跡も太くなります。そのため滲みや裏抜けを起こす可能性もあります。詳細はこちらの「Dry（ドライ）」「Wet（ウェット）」についてをご覧ください。

※インクサックはインクを貯めておくための袋です。
ヴィンテージの万年筆によく見られるもので、大抵はゴムなどで出来ています。
大雑把に言うとゴム製のカートリッジ/コンバーターです。

９：海外の万年筆ユーザーさん

俺も新古品のwing sung 590持ってるよ。確かにすごい臭いがする。でも実際それほど酷い万年筆ではないよね。
俺はwing sung 590のサイズが気に入ってるよ（分からない人のために言うと、wing sung 590はかなりデカい万年筆なんだ）。そして君が言うように、かなり良いニブを持っているよね。
これにお気に入りのパイロットブルーブラック（素晴らしい色合いはもちろんのこと、どんな万年筆でも使いやすい上に安くて耐水性もある）を入れて書くと、没食子のブルーブラック並みに素晴らしいシェーディングが出せるんだ。こんな風にできるのは、手持ちのコレクションの中でもwing sung 590だけだよ。他の万年筆じゃ色に深みが出にくいからね。
ただ悪いところもいくつかあるんだ。カビが生えた本のような臭いに加えて、金メッキが本当にしょぼいところと、長時間放っておくと時々ハードスタートを起こすところ。

※没食子インク（古典インク）は耐水性に優れていますが、ニブを腐食させてしまうことがあります。
使用する際は注意してください。

※シェーディングは筆跡に濃淡がつくことを指します。
詳細はこちらの「Shade」「Sheen」「Shimmer」についてをご覧ください。

※ハードスタートは二つの使われ方をしている言葉です。
一つは、何らかの原因でニブが変形してフローが悪くなり、書きだしからインクが出てこないことを指します。
もう一つは、書きだしや線の一部が掠れやすいペンのことを指して使われます。
ハードスタートは洗浄やメンテナンスで和らぐことがあります。ただしニブに異常がある場合は専門家に調整を行ってもらってください。自分で調整する方法もありますが、ニブを痛める可能性が高いので掲載しません。
使用する万年筆、インク、紙質、そしてユーザーの書き方によって発生したりしなかったりする現象でもあるので、慌てずに対処してください。

１０：海外の万年筆ユーザーさん

滑らかなのもあるって？　見た感じすごく書きにくそうだけど。

１１：海外の万年筆ユーザーさん

要は品質の問題だよ。良いのもある、悪いのもある。

１２：海外の万年筆ユーザーさん

＞俺たちが探し求めているような書き味、書き心地は得られないんじゃないかなあ。
ニブが滑らかになるようにしっかりと調整されていれば、スチールニブと同等かそれ以上の書き味になると思うよ。どうしてそう言えるのかって？　自分のヴィンテージペンをレストア（修理）したときにそういうケースを何度も目にしてきたからさ。
それに、この手の書き味に関する問題の原因はスチールにあるんだよ。ニブがどういう状態かにもよるけど、ほとんどの場合は腐食のせいでペンポイントが壊れてしまっているんだ。

１３：海外の万年筆ユーザーさん

この「Warranted（折り紙つき）」って刻印が良いね。何が何でもこの刻印を入れたかったんだろうなあ。

そもそも「Warranted」は「これは金で出来たニブですよ、メッキじゃないですよ」ってことを示すためのものだからね。
つまり、このニブを作った会社は金メッキのニブにもかかわらず「14k gold」と書いて偽っているんだ。そしてニブの根本、首軸に被って見えないところに「plated（14金のメッキだけどね）」って書いてるんだよ、きっと。
最近まで、英国法では貴金属は第三者機関（鉱石分析所）の検証が必要だったんだ。そこで認証されれば品質の証明として「Warranted」って刻印が押されるんだよ。

１４：海外の万年筆ユーザーさん

いやあ、素晴らしいなあ。

１５：海外の万年筆ユーザーさん

これでニブにまつわる雑学として誰かに教えられるようになったな。

１６：海外の万年筆ユーザーさん

パイロット以外のメーカーが高品質な金ニブを作ってくれるようになればいいのになあ。
自分が本当に欲しいものは完璧な万年筆なんだよ。具体的に言うと、100年前のWatermanの驚異的な極細ニブを取り付けたパイロットエラボー（インク漏れもしない、カートリッジ/コンバーターで使いやすい、総合的に見ても魅力的な万年筆）が欲しいんだ。

１７：海外の万年筆ユーザーさん

おほー、それはすさまじいな！！　欲しいね！！

１８：海外の万年筆ユーザーさん

こういう製造過程が分かるような板はどこで買えるんだろう？

１９：海外の万年筆ユーザーさん

ニブの型を作る前に板を切ってるのがすごく不思議だ。おそらくバタフライニブだからなんだろうけど。普通であれば先端まで型を作ってから切り出すよね。

２０：海外の万年筆ユーザーさん

これって熱処理されてるのかな？　自分は鍛冶師なんだけどすごく気になる。

２１：海外の万年筆ユーザーさん

おおーすごいな。これはプレス機械の順送型だ、うん間違いない。

２２：海外の万年筆ユーザーさん

こういうの好きだわ。

２３：海外の万年筆ユーザーさん

右から5番目、6番目、7番目は何がどう違うんだろう？

２４：海外の万年筆ユーザーさん

3つとも同じ形だと思う。おそらく機械加工の過程で出来たスペースじゃないかな。こういうスペースができにくい機械を買おうとすると法外なお金がかかるんだ。
推測になるけど、この形状を考えると型抜きにはスペースを余分に取る必要があると思う。

２５：海外の万年筆ユーザーさん

3 -> 4 ニブに切り割りを作る。
4 -> 5 先端のハート型を小さくする。
5 -> 6 その先端を1%くらい切って整える？？？ 6 -> 7 何かやってると思わせておいて実は何もしていない

２６：海外の万年筆ユーザーさん

俺もそう考えてたｗｗ

ニブの製造については詳しくないんですが、19番さんの言うように、たぶん有名なブランドはこういう風に作っていないと思います。
こちらはパイロットの万年筆の製造動画です。ニブの切り抜き作業は3分40秒頃からです。